住職からのひとこと
私たちは、日々生活をしていく上でいろいろなことがあります。また、今現在の時代の流れというものも計りしれないものがあり、その中で私たちは日々生かされているのです。その自分自身の体というものは、二つのものから成り立っていると解釈しています。
一つめは体(肉体)です。この管理人は、皆様もお世話になります。お察しの通りお医者さまです。
二つめは心です。その心の管理をしてくれるのは、仏教、キリスト教、ヒンズー教、その他数々の宗教なのです。
さて、身近なところで仏教とは何か?と言った時、また二つに分けられます。
一つめが、供養の気持ちです。これは、一人ひとり、一つ一つの人や物の命の尊さ、ありがたさですね。そして、これは「感謝」させていただくことです。これは過去です。私もいつも言っているのですが、今の自分が今まで何事もなく好きなようにさせていただき、育てていただいたことへの感謝の気持ち、この健康な体を無事この世に産み落としていただいたご先祖さまに対しての感謝の気持ちですね。
二つめが「人生」でこれからの未来です。これから先の道しるべ、道先案内人です。
私たちは生きている以上必ずあらゆる物事や苦難に遭遇します。その物事に対して自分自身の見方、考え方、行い方によってその物事の結果は変化していきます。この私たち一人ひとりは、大切な自分であるとともに、それぞれに役割、働きがあります。その働き、考え方一つで人生も、会社も、プラスにもマイナスにも持っていくことができるのです。結局のところ、物事というのは、好きも嫌いもあるし、仕事にしてみたら「してやってる」「やらされている」というふうにも解釈することができるのです。
華厳経という経典の中に、「初発心時 便成正覚」という言葉があります。これは「初発心の時、便ち正覚を成ず」といい、簡単に言い換えると「初めて自分が物事の上に立った時、初めて物事を起こした時、必ず何か目標、目的を立てて起こしたはずです。その気持ちを忘れることなく正直に進めばその物事は、必ず成し遂げることができる」という意味です。
今の時代でもよく「初心忘れるばからず」という言葉がありますが、これは今から600年前、西暦1400年頃から言われている言葉で、いつの時代であってもどんなに時代が変わっても「素直な気持ちをもってすれば必ず目的は成し遂げられる」ということは今の時代でもこの言葉が使われているゆえんと考えられます。